靴の学校のこと
こんにちは。
靴職人見習いの村上です。
今回は、私の通っていた靴の学校「神戸医療福祉専門学校三田校 整形靴科」についてお伝えします。
場所は、兵庫県三田市。1990年にスタートした本場ドイツ式の整形靴技術を習得するための養成校です。(私は、22期生です)
オーストリア人のEduard Herbstマイスターと現場経験が豊富な卒業生5名を講師とし、2年間で整形靴技術の習得に必要な事を学びます。
ところで、「整形靴技術」という言葉。聞き馴染みのない言葉だと思います。
整形靴技術とは、Orthopedic-shoe techniqueの訳語であり、足の採寸(※1)or採型(※2)から作られるフルオーダーメイドの靴である「靴型装具」、主に既成靴の中に入れて用いられる「足底装具」、既成靴の底などに施される「靴の補正」を含んだ靴の製作・加工技術のことをです。(この技術を用いて作られる靴が、整形靴です)
※1:各部分の寸法を測ること。例えば、足の一番長い部分は、かかとの出っ張りから親指or人差し指の長い方までの長さを測ります。
※2:立体的に体の型をとる方法のこと。例えば、ギプス包帯を足に巻き付けてから行う方法があります。
また、この技術が必要な理由は、以下の2点があります。
立つ、歩くのような機能的な部分を補助すること
足(足の関節、皮膚など)を守るような機能が必要であること
靴の各パーツの形状、材料の性質を考慮することで、機能障害の軽減を可能にできることが整形靴技術の魅力であり、必要であると言えます。ここで言う機能障害とは、上の2点の他にも、足趾(足の指のこと)や甲の痛みを軽減すること、アーチサポートを矯正すること等があります。
話が逸れましたが、
私はこの学校で足・膝・腰の解剖学や運動学、整形外科学等の医学的な知識を学びつつ、靴の製作技術を向上させてきました。
毎日が楽しく、夢中になって取り組めたこともあり、学年トップの成績で卒業することができました。
このことを自信に変えて、学校で学び得たことを今後に活かしていけるように、より一層精進していきたいと思います。
P.S.
残念ながら、現在の生徒を最後に整形靴科はなくなってしまうそうです。
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