豚革ノススゝ
メイドインジャパンのピッグスキンは、唯一自国にて原皮の自給が可能であり、また輸出にも適した希少な素材です。
その高品質な特性ゆえ、海外市場、とりわけ欧州においては高級素材として極めて高い評価を受けております。しかしながら、国内においては依然として牛革に比肩し得ない素材とみなされがちであり、靴やジャケットの素材、あるいは鞄のライニングに使用されることが多い状況です。
弊社は十数年前より、ピッグスキンの持つ新たな魅力を引き出すべく、従来は敬遠されがちであった毛穴やシボを意匠に取り入れたシューズデザインの製品化に取り組んでまいりました。
ピッグスキンはその生態的特性上、傷が多く、部位によって品質の均一性が損なわれるという難点がございます。しかしながら、革本来の特性を熟知したうえで、鞣しの技術や仕上げの工程を工夫することで、多様な用途に適した加工が可能となっております。
すなわち、革を厚くし撥水性を高めると同時に堅固な仕上がりにすることも、反対に薄くし吸湿性を持たせ、柔軟性を向上させることも自在に調整可能であるのです。
靴の革において極めて重要な要素である「キズへの強さ」「柔軟性と堅牢性」「耐水性」、さらに「表皮の割れにくさ」という特性を兼ね備えた、靴に最適な素材へと仕立て上げました。