靴のサイズについて
菊地武男の靴物語という本に、次の一文を見つけた。
「日本の軍靴は、「一〇~一三文」(一文は約2.4センチ)の4種類しかなく、幅の選択はできなかった。
そのため足に靴を合わせるのではなく、靴に足を合わせるという考えが支配していた。」
これに対して米軍の軍靴は次のように記されていた。
「米軍の靴はA~Fまで六つの幅がある上に、長さが9種類もあった。菊地のサイズは6インチのEE、一日中歩きまわっても、どの趾(ゆび)も痛くならない。」
出典:「菊地武男の靴物語」より抜粋
つまり戦前は1.5cmピッチの4サイズのみというS,M,L,LLというかなり雑なサイズ展開だったようである。 「大岡昇平戦争小説集 靴の話」に出てくる靴のサイズが切実だったのもよく理解できる。 また、それを裏付けるように日本軍靴は10.3文(24cm)・10.7文(25.5cm)・11文(27cm)・12文(28.5cm)の4種類であったという資料も見つけることができた。
つづく